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「生体防御のメカニズム」平成8年度採択課題終了シンポジウム  8-10
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「サイトカインによる血球の発生·増殖·分化の制御」
宮島 篤1)
1) 東京大学分子細胞生物学研究所
全ての血液細胞は成人の骨髄中に存在する造血幹細胞に由来する。しかし、個体の発生過程では、まず卵黄嚢での胎児型赤血球とマクロファージの産生を中心とした一次造血に始り、成体型赤血球、リンパ球、顆粒球、マクロファージなどの成体型血液細胞とそれらを産生する長期造血再構成能をもつ成体型造血幹細胞は胎児内の大動脈/生殖隆起/中腎(AGM:Aorta/Gonad/Mesonephros)領域で発生する。胎生中期に前腸から形成された肝臓は、血液細胞を受け入れ、骨髄での造血が開始される出生時期まで最も主要な造血器官として機能する。一方、胎生肝臓には成体肝臓のもつ種々の代謝機能がなく、造血器官として機能しながら、代謝器官へと変化する。すなわち胎生後期から出生時にかけて、肝臓は機能的に大きく変化を遂げる。

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