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「生体防御のメカニズム」平成8年度採択課題終了シンポジウム  3-4
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『環境発がん物質の低濃度発がんリスクの解明』
「発がん物質には閾値が存在するか」

福島 昭治1)
1) 大阪市立大学大学院医学研究科
環境中に存在する発がん物質のリスク評価に際しては、単に発がん物質の存在を明らかにするだけでなく、それがどの程度ヒトのがん発生に影響しているかを検討することが重要である。現在、評価にあたって実際には発がん物質の高用量域での反応の用量相関曲線を低用量域に延ばすことにより低用量域での発がん性のヒトへの外挿が行われている。このことが正しいかどうかを科学的に証明することが極めて重要な課題である。しかし、この分野の研究は方法論上の困難性があり、学際領域の研究として未着手といって過言ではない。本研究はがんの一次予防を最終目標とし、環境発がん物質のヒトが実際に曝露される低用量域における環境発がん物質の発がん性を検討し、さらにそれと曝露レベルとの相関を明らかにする。また、化学物質の発がん性を容易に検出できる新しい発がん検索法を開発する。これらの成果を基盤にしてヒト発がんリスク評価のための信頼に応えうる基礎的データを作ることを目的とする。

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