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「生体防御のメカニズム」平成8年度採択課題終了シンポジウム  2-2
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「免疫プロテアソームとMHCの染色体重複モデル」
笠原 正典1)
1) 総合研究大学院大学·先導科学研究科
インターフェロンγ(IFN-γ)によって発現が誘導される3個のサブユニットをその構成成分としてもつ免疫プロテアソームは主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子によって提示されるペプチドの産生に特化した20Sプロテアソームである。われわれは、IFN-γによって発現が制御されるプロテアソーム·サブユニット遺伝子群をマウスから系統的にクローニングし、その構造、発現制御機構、染色体局在を決定した。これら一連の研究の過程で、MHC領域が、脊椎動物進化の初期におきたと想定される少なくとも2回の染色体重複によって形成されたとする「MHCの染色体重複モデル」を提唱するに至った。ヒトやさまざまな生物のゲノムプロジェクトが進行するにつれ、本モデルを支持する知見が急速に集積されつつある。ここでは、免疫プロテアソーム研究を契機として提唱されるに至った「MHCの染色体重複モデル」の現状を中心に報告する。

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