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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  28-28
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シナプス後部蛋白質の局在とスパインの動的変化
岡部 繁男1)4), 漆戸 智恵2), 岡戸 晴生3)4)
1) 東京医歯大
2) 産業技術総合研·生命工研
3) 東京都神経研
4) CREST·JST
神経シナプスの形成とリモデリングの過程でのシナプス機能分子の集積過程を直接解析するため、培養海馬神経細胞におけるシナプス後肥厚部の分布、シナプス小胞の分布、spineの形態をGFPのvariantであるCFP、YFPの蛍光シグナルを用いて可視化した。この方法により、1)シナプス後肥厚部が既に伸長したfilopodia/spineの中に集積し、シナプス後部構造の特異化が起こる事。2)シナプス後肥厚部の形成とシナプス小胞の集積がお互いに時間的に相関して起こる事。3)速い運動性を示すspineとシナプス後肥厚部の存在の有無に相関がある事。が示された。以上の実験より、シナプス構造の成熟は、spine局所とシナプス前部への速やかな機能分子の集積と、spineの運動性の変化を伴うことが明らかになった。

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