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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  27-27
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P/Q型カルシウムチャネルの微細局在に関する免疫電顕的研究
藤本 和1)3), 小川 智史2)3)
1) 福井県立大
2) 理化研
3) CREST·JST
ラット小脳におけるP/Q型カルシウムチャネルの微細局在を検討し, チャネル分子がシナプス膜のみではなく, プルキンエ細胞の細胞膜に凝集して存在している可能性を示唆する所見が得られたので報告する. ラット小脳の150ミクロン厚スライスを加圧凍結法で新鮮凍結固定を行った. 凍結試料を凍結割断装置で凍結割断後, 白金と炭素蒸着を行った. 割断·蒸着した試料をSDS処理し, レプリカ膜を回収した. レプリカ膜を抗P/Q型カルシウムチャネル抗体, ついでコロイド金標識二次抗体で標識し, 電顕用グリッドに回収, 透過型電顕Tecnai10で観察した. P/Q型カルシウムチャネルの局在を示すコロイド金粒子は, シナプス前膜のP面に認められた. 金粒子は開口分泌に対応すると考えられる膜の陥凹に近接した膜領域には見られず, やや離れた膜領域に観察された. また, プルキンエ細胞の樹状突起では, 膜内粒子の凝集をともなった膜領域に金粒子の集積が認められた. 小脳の凍結超薄切片を用いた免疫標識では, シナプス領域の周囲部の膜とプルキンエ細胞の樹状突起の細胞膜に金粒子の結合が見られた. 樹状突起の細胞膜では, 金粒子が凝集して沈着していることが頻繁に観察された.

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