| オーガナイザー特異的転写因子による脳誘導因子Cerberusの遺伝子発現制御機構
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| 山元 進司1)2), 小野 裕史1), 日笠 弘基1)2), 平良 眞規1)2) |
| 1) 東大、院理、生物科学 2) CREST·JST |
| | オーガナイザー特異的ホメオドメイン蛋白質Xlim-1の活性化型(Xlim-1/3m)は頭部誘導因子Cerberusの遺伝子発現を誘導することができることよりcerberusはXlim-1の標的遺伝子と考えられた。そこでcerberusのプロモーター領域の解析を行った結果、1)415bpプロモーター領域はXlim-1/3mによる活性化、および胚の背側での特異的発現に十分である、2)-219/-116領域の欠失、およびこの領域内の3つのTAAT配列への点変異導入により、Xlim-1/3mおよび胚の背側での発現が消失する、3)ゲルシフトによりXlim-1/3mがこれらTAATコア配列に結合する、4)Xlim-1/3mはタンパク合成を介さずにcerberusを発現させることが明らかとなった。また、Xlim-1と協調的にcerberusの転写を活性化する因子を検索したところ、Otx2、SiamoisとMix.1との共発現により、レポーターおよび内在性cerberus遺伝子が協調的に活性化された。これらの結果は、オーガナイザー特異的因子Xlim-1、Otx2、SiamoisがMix.1と共にcerberus遺伝子の背側内中胚葉での発現を制御し、頭部形成に関わっていることを示唆している。 | | | |