| bHLH型転写抑制因子XHR1の中脳·後脳境界形成における役割
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| 信賀 順1)2), 伊東 万里1)2), 平良 眞規1)2) |
| 1) 東大·院理·生物科学 2) CREST·JST |
| | アフリカツメガエル前部神経外胚葉のcDNAライブラリーのスクリーニングにより、HES型転写抑制因子をコードする遺伝子XHR1(Xenopus Hes-related gene 1)を単離した。XHR1は中脳·後脳境界(MHB)領域に特異的に発現しており、初期原腸胚期において、Xotx2とXgbx-2の発現領域が接する以前から予定MHB領域ですでに発現が認められた。mRNA顕微注入実験においてドミナントネガティブ型XHR1の過剰発現によりXPax-2,En-2の発現が減少し、野生型XHR1を共発現することにより、それがレスキューされた。またMHB領域への野生型XHR1の異所的な発現はEn-2の発現を拡大した。これらの結果から、予定MHBの領域化は従来考えられていたモデルとは異なり、Xotx2とXgbx-2の発現境界の形成以前から始まっていること、およびその領域化にXHR1が必要であることが示唆された。 | | | |