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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  24-24
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ロイコトリエンD4によるミクログリアの活性制御
平林 哲也1)2), 岸本 幸治1)2), 浅井 賢二1)2), 小笠原 英明1)2), 和泉 孝志1)3), 清水 孝雄1)2)
1) CREST·JST
2) 東大院医
3) 群馬大医
脂質メディエーターのロイコトリエンD4(LTD4)は、脳虚血-再潅流後に産生される。神経系におけるLTD4の機能を理解するために、その標的細胞と効果を検討した。細胞内カルシウム濃度上昇を指標として、ミクログリアがLTD4に応答することを見いだした。受容体アンタゴニストを用いた薬理学的特性および遺伝子発現解析により、LTD4に対する応答はCysLT1受容体を介していることが分かった。さらに、LTD4の濃度勾配形成により、ミクログリアは化学走化性を示した。これらの結果から、脳の障害に伴って局所に産生されたLTD4は、ミクログリアの遊走能を高めて傷害部位に集合させる機能を持つと考えられる。

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