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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  23-24
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血小板活性化因子受容体欠損マウスにおける神経細胞移動
徳岡(三田村) 涼美1)2), 石井 聡1)2), 清水 孝雄1)2)
1) CREST·JST
2) 東大院医
ヒトの滑脳症の原因遺伝子であるLis1遺伝子はPAF分解酵素の1つであるPAFアセチルヒドロラーゼIb型(PAF-AH)のβサブユニットをコードし、この欠損により神経細胞移動に異常が起こる。本研究では、PAFとその受容体の神経細胞移動における役割を明らかにすることを目的に、PAF受容体欠損マウスを用いた解析を行った。小脳顆粒細胞の培養系を用いた実験により、PAF受容体欠損マウスの神経細胞移動速度が、野生型マウスよりも低く、かつ野生型マウスの顆粒細胞へPAF受容体拮抗薬(WEB2086)投与により移動が遅くなることがわかった。培地中へmc-PAF(PAF受容体アゴニスト)を添加した際の神経細胞移動速度への影響が、野生型マウスとPAF受容体欠損マウスとでは異なることも明らかとなった。

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