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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  22-22
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刺激依存性·海馬歯状回特異的新規ホスホリパーゼA2アイソフオーム
岸本 幸治7), 魚住 尚紀1)7), 和泉 孝志1)7), 白川 純1), 清水 孝雄1)7), 黒柳 秀人3), 鈴木 陽一4), 白澤 卓二4), 中舘 和彦5), 渡辺 恭良5)6)
1) 東大院、生化学細胞情報
2) 群馬大·医·生化学
3) 東医歯大·機能解割
4) 老人研·分子遺伝
5) 大阪バイオ研·神経科学
6) 大阪市大·医·第一生理
7) CREST·JST
85kDa細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)は脳神経細胞に豊富に発現し、膜リン脂質からアラキドン酸を切り出すなど、種々の神経機能に関与することが示唆されている。神経刺激によるラット脳でのcPLA2の発現変化を調べたところ、カイニン酸処理で、一過性に、海馬歯状回特異的に発現するmRNAを見いだした(KIDS cPLA2)。このmRNAが蛋白質として存在することがウエスタンブロットと免疫組織染色でも確認され、神経前駆細胞に誘導されることもわかった。また、このアイソフオームの誘導発現はcPLA2のノックアウトマウスのカイニン酸刺激によっても観察され、推定されるプロモーター配列がcPLA2遺伝子のイントロン中に存在し、種を越えて高度に保存されていることなども明らかになった。現在はその生物学的意義の解明を行っている。

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