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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  21-22
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小脳バスケット細胞におけるβ-アドレナリン受容体を介したGABA放出増大機構
斎藤 文仁2), 池渕 穣1)2)3), 小西 史朗1)3)
1) 三菱生命研
2) 北里大·理·院
3) CREST·JST
ラット小脳のバスケット細胞(BC)とプルキンエ細胞(PC)間のGABAシナプスでノルアドレナリン(NA)は伝達効率を増強するので、この作用機構を検討した。NAはBC上のβ2受容体を介して細胞内cAMP生成を刺激し、2種類の異なる作用を引き起こした。1)NA刺激で生成されたcAMPは過分極活性型陽イオンチャネル(Hチャネル)を直接刺激して、BCに脱分極、スパイク発射を起こし、自発的GABAシナプス反応(IPSC)を増加した。2)Hチャネル抑制下に、NAは刺激で誘発されるIPSCの振幅を増加し、微小IPSCの頻度および高浸透ショ糖溶液で引き起こされるGABA電流を増加した。BCのβ受容体活性化は、興奮性の増大とGABA遊離機構の増強に連関することが示された。

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