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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  21-21
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ラット扁桃体における恐怖条件づけ連合学習によるタンパク発現変化
鈴木 秀典1)2)4), 田岡 万悟1)2), 羽田 栄輔3)4), 中野 朝彩子3), 蒔苗 公司3)4), 池上 司郎3)4), 小西 史朗3)4)
1) 日本医大薬
2) 都立大理
3) 三菱生命研
4) CREST·JST
不安や恐怖などの情動反応は長期的に持続する記憶や学習過程を伴っており、このような情動記憶の成立、保持には脳内の扁桃体が重要な位置を占めている。情動記憶の動物モデルとして採用した恐怖条件づけ(FC)したラットの扁桃体で、恐怖記憶が形成される過程で発現量の変化するタンパク分子を検索した。恐怖連合学習を獲得したラットの扁桃体を摘出し、タンパクを抽出した。これを二次元電気泳動によって分離し、泳動パターンを対照群と比較した。発現が増加するか新たに出現した約50個のスポットから回収した分子をマススペクトル法-データベース照合によって解析した。FCの成立に伴って複数のシナプス関連タンパクが増加していることが判明した。恐怖記憶の獲得は、扁桃体シナプスにおけるタンパク分子レベルの顕著な変動と連動することが示された。

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