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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  20-20
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ラット大脳皮質における神経活動に及ぼす神経栄養因子の影響
鳥光 慶一1)2), 古川 由里子2), 河西 奈保子1), 神保 泰彦1)
1) NTT物性科学基礎研
2) CREST·JST
近年、神経栄養因子の作用として、神経細胞に対する栄養因子の役割だけでなく、細胞死に対する保護作用や神経活動の調節作用が注目され、研究が進められてきた。本発表では、ラット大脳皮質の培養細胞、あるいはスライスについて、その電気的活動と細胞内Ca濃度、グルタミン酸放出量に着目し、神経栄養因子(NGF,BDNF)の影響を調べた。電気活動計測には、64チャンネル微小マイクロ電極を用い、細胞内Ca濃度測定はFluo-4を用いた2光子顕微鏡で行った。その結果、神経栄養因子により電気活動において、自発の発火頻度が顕著に増加する傾向が観察されるとともに、細胞内Ca濃度、グルタミン酸が一過性に増加し、神経活動の調節を示唆する結果が得られた。

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