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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  18-18
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皮質ニユーロンにおける脳由来神経栄養因子の動態
シナプス後細胞への活動依存的移動

小原 圭吾2), 北村 明彦1)2), 森島 美絵子1)2), 津本 忠治1)2)
1) 阪大院医
2) CREST·JST
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、大脳皮質の回路形成や可塑性に関与していることが知られており、シナプス後細胞からシナプス前細胞へという逆行性経路で作用すると考えられてきた。しかしながら、BDNFの細胞間転移を示した直接的な報告はなく、またそれに対する神経活動の関与も未解明であった。今回、我々はGFPを融合させたBDNF(BDNF-GFP)と赤色蛍光蛋白質(RFP)のcDNAを核内マイクロインジェクション法を用いて単一皮質神経細胞に同時に遺伝子導入し、BDNFの細胞内局在と動態を可視化した。軸索上では、BDNF-GFPは順行性に輸送され、活動依存的にシナプス後細胞に移動することが示された。

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