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「脳を知る」・「脳を守る」合同シンポジウム要旨 脳の機能とその異常  18-18
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大脳視覚野の生後発達における皮質ニューロン活動の役割
畠 義郎1)2), 大島 稔1), 一坂 吏志1)2), 亀山 克朗1)2), 津本 忠治1)2)
1) 阪大院医
2) CREST·JST
哺乳動物の大脳皮質一次視覚野の光反応性や眼優位コラムといった性質や構造は、生後発達の過程で獲得されてくるが、その時、神経活動に依存したメカニズムが重要であるとされている。本研究では、皮質ニューロンの活動が、視覚野の発達において果たす役割を探るため、まだコラム構造や光反応性が未熟な、生後14日程度の仔ネコの視覚野ニューロン活動を薬理学的に抑制した。その状態で4週間飼育した動物では、光反応はきわめて貧弱であり、方位選択性もほとんどのニューロンにおいて認められなかった。また、Transneuronal labeling法により眼優位コラムを調べたが、一方の眼に対応する入力線維は視覚野上をほぼ一様に投射し、コラム様構造は見られなかった。これらの結果は、視覚野の生後発達に皮質ニューロン活動が重要な役割を果たすことを示唆している。

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