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「極限環境状態における現象」研究領域シンポジウム  70-71
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超過冷却状態の実現と新機能材料創製
—大きな過冷却実現のための装置開発—

戸叶 一正1)
1) 物質·材料研究機構材料基盤研究センター
過冷却とは結晶が融液から晶出する時に、融液の温度がその物質固有の融点以下に下がる現象で、結晶核の発生とその後の成長の駆動力として必然的に起こるものである。しかし、普通の坩堝を用いる溶解·凝固では、坩堝の壁や坩堝から混入した異物を媒介とした核発生が容易に起こるため、さほど大きな過冷却を生じなくとも結晶成長は起こっている。本研究の目的は人為的に大きな過冷却状態を実現して、そこからの凝固によって通常では得られないような新しい相や、新しい機能を持った物質の創製を目指すことにある。このような大きな過冷却状態を得るには、試料を清浄な空間で浮かしながら溶融·凝固をさせる必要があり、そのため本研究では以下の装置を(独)物質·材料研究機構と文部科学省宇宙科学研究所(栗林一彦教授)とで開発してきた。

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