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「極限環境状態における現象」研究領域シンポジウム  68-69
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超高圧プロセスによる天然ダイヤモンド単結晶·多結晶体の成因解明
—新超硬質材料の合成と開発—

赤石 實1)
1) 物質·材料研究機構 物質研究所
カザフスタンをはじめ世界の数ヵ所で変成岩起源のダイヤモンド単結晶が発見され、それらのダイヤモンドがどのような環境で生成したか、地質学者の間でたいへん興味を持たれている。彼等の多くは、C-O-H流体相からのダイヤモンド合成と同じようなプロセスで変成岩起源のダイヤモンドが生成した可能性が高いと推定している。[H]/[O]比の異なるC-O-H流体相からのダイヤモンドの生成プロセスと生成条件に及ぼす流体相の組成の効果を調べた。その結果、何れの組成の流体からもダイヤモンド単結晶の生成は認められたが、[H]/[O]比の小さい酸化性流体の方が、還元性のそれらよりもダイヤモンドが生成しやすい傾向が確認された。粒子径1μm以下の微粒ダイヤモンド多結晶体の合成とその切削工具への応用を昨年報告したが、本年度はダイヤモンドの微粒子化を目指した研究を行った。その結果、粒子径が数百nmのダイヤモンド多結晶体を合成することができた。また、前年度に引き続き、微粒ダイヤモンド多結晶体を切削工具に加工し、高Si-Al合金、Al-SiC系MMC材料等を被削材に用いて切削テストを行った。

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