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「極限環境状態における現象」研究領域シンポジウム  5-8
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合金クラスター集合体の極限構造·磁性制御
—クラスターからの物質合成をめざして—

隅山 兼治1)
1) 名古屋工業大学材料工学科
物質の特性がナノサイズ*の領域の原子配列で決定されることが認識されつつあり、物質の構造や組織をナノサイズで制御した新機能物質も見出されている。原子·分子あるいは巨視的物質(アボガドロ数に相当する個数の原子の集合)に比べ、ナノサイズの物質·領域は未開拓であり、今まさに、ナノテクノロジーとして様々な取り組みが始まっている。我々は、構成原子数が100-10,000個からなるクラスターに注目し、「サイズの揃ったクラスターの大量合成、サイズ特有の性質の探索、クラスターを素材とした物質創製·応用」をめざした。
研究チームは、合成方法(気相法と溶液法)、実験(機能性と評価法)と理論を考慮して、金属·合金クラスター、半導体·酸化物クラスター、理論·シミュレーションの3グループで構成した。各グループ固有の研究は、毎年2回の研究会で発表、相互評価し、グループ間での共同研究も実施した。具体的な研究を進めるに際して、次のような課題を掲げた。
(1)生成効率、汎用性の高いクラスターの生成·堆積方法の開発、
(2)クラスターサイズの単分散化と選別、
(3)微小クラスターにおけるマジックナンバーの観測、
(4)クラスター安定性、機能性、形成過程の理論解析、シミュレーション、
(5)クラスター表面の安定化、
(6)多成分クラスターの組成·構造制御、
(7)クラスターのサイズに適合した評価方法の開発·改良、
(8)特異な構造、機能を有するクラスターおよびクラスター集合体の探索、
(9)クラスターのランダムあるいは規則的配列、
(10)クラスターならびにクラスター集合体の応用·実用化。
研究を三段跳びに例えると、最初1年半のホップでは1)2)3)、次の2年間のステップでは4)5)6)7)、最後の1年半のジャンプでは8)9)10)の課題に挑戦した。主な研究成果は以下の通りである。

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