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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  30-30
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海馬苔状線維シナプスへのCa2+透過性AMPA受容体の機能発現とシナプス可塑性
掛川 渉1), 山田 伸明1)2), 飯野 昌枝1), 都筑 馨介1), 小澤 瀞司1)2)
1) 群馬大·医·第二生理
2) CREST·JST
海馬苔状線維シナプスにおける長期増強(MF-LTP)の誘発にシナプス後部へのCa2+流入が寄与しているか否かを検討するために、シンドビスウイルスベクターによりCA3錐体細胞に未編集型GluR2(GluR2Q)サブユニットを導入し、Ca2+透過性AMPA受容体を強制発現させた。ウイルス感染36-48時間後、CA3錐体細胞に発現したGluR2Qは苔状線維シナプス下膜に輸送され、MF-EPSCはCa2+透過性AMPA受容体の特徴である内向き整流特性を示した。しかし、Ca2+透過性AMPA受容体を発現した細胞からのMF-LTPは非感染細胞と顕著な差は見られなかった。このことから、MF-LTPの誘発は、シナプス後部のCa2+動態には影響されないことが示唆された。

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