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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  24-24
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高親和性コリントランスポーター遺伝子の単一塩基多型
奥田 隆志1), 貝塚 千奈2), 芳賀 達也2)3)
1) 東大·医·神経生化
2) CREST·JST
3) 学習院·理·生命研
コリン作動性神経には高親和性コリン取り込み系が存在しアセチルコリン合成の律速段階となる。最近我々は高親和性コリントランスポーター(CHT1)をクローニングすることに成功した。ヒトCHT1遺伝子翻訳領域の単一塩基多型を解析した結果、トランスポーターの第3膜貫通領域に位置する89番目のアミノ酸IleからValへの置換(I89V)に対応する多型を見い出した。野生体(WT)と変異体(I89V)のCHT1をそれぞれCOS-7細胞に発現させたところ、発現量は同程度であったがI89Vによるコリン取り込み速度はWTの40-60%であった。コリンに対する親和性は同程度であった(Km;3μM)。生体内でも変異の有無によりアセチルコリン合成量が影響を受ける可能性が考えられる。

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