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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  1-1
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コラムレベルの空間分解能でのヒト機能的磁気共鳴イメージング
田中 啓治1)
1) 理研·脳科学総合研究センター
機能的磁気共鳴イメージングはヒトの脳活動を非侵襲で、しかもくり返し計測することが出来るために急速に広まった。しかし、ほとんどの測定の空間分解能は3ミリ以上で、個々の大脳領野内の機能メカニズムを調べることはできない。我々は4テスラの静磁場の装置を導入してコラムレベル(0.5ミリ程度)の分解能での機能的測定を試みてきた。傾斜磁場コイルおよび送受信コイルに改良を加え、呼吸および心拍からの生体ノイズを除去する方法、大脳灰白質からの信号だけを測定する方法を開発して、ヒト第一次視覚野眼優位性コラムのイメージングに成功した。同一の被験者のほぼ同じ脳部位において異なった日に測定を行い、ほとんど一致するパターンを得て結果の再現性を確認した。この結果は、4テスラの機能的磁気共鳴イメージングでコラムレベルでの測定ができることを示した。現在この第一次視覚野で成功を他の大脳領野に拡大するためのさらなる技術改良を重ねている。

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