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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  19-19
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マウス嗅球での周波数帯によって分離される独立な2つの経路
田仲 祐介1)2), 八木 健1)2)3)
1) 生理研·高次神経機構
2) 阪大·細胞生体工学センター·遺伝情報システム
3) CREST·JST
マウス嗅球にて、低濃度刺激によって誘発される神経活動(LFP)を見いだした。この活動は、従来に報告されている嗅覚性誘発活動(誘起波)より低い周波数帯(7-14Hz)にピークが見られ、繰り返しの同一刺激に対する反応性は弱まる。さらに垂直多点電極を用いて、この活動が糸球体層と僧帽細胞層の間に由来することを見いだした。また、この低周波活動中でのスパイクの有意な増大は見られなかったが相関を示した。これらの結果は、嗅球において周波数帯によって分離される独立な2つの経路が存在することを示し、低周波発振器(Low Frequency Oscillator)として中枢神経系において機能していることを示唆する。

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