TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  17-17
[Image PDF (79K)


AD脳に蓄積するAβ dimerの構造解析
廣谷 直子1)2), 森島 真帆1), 堂前 直3), 瀧尾 擴士3), 井原 康夫1)2)
1) 東大·院·医·神経病理
2) CREST
3) 理研·生体分子解析室
アミロイドβタンパク質(Aβ)はAlzheimer病(AD)の病理学的特徴である老人斑の主要構成成分である。これまでの研究から、抗Aβ抗体を用いたAD脳のウェスタンブロット解析でAβ dimerと考えられる強染するバンドが認められ、Aβ dimerの存在がAβ蓄積に重要な働きをしているのではないかと考えられた。そこで、AD脳に蓄積するAβ dimerの構造解析を試みた。Aβ dimerは凍結AD脳の2% SDS不溶性画分よリ70%ギ酸で抽出後、ゲルろ過、逆相クロマトグラフィーにより精製した。Aβ dimerの臭化シアン切断によりAβ1-35 dimerが得られたこと、リシルエンドペプチターゼ及び臭化シアン切断でAβ1-16断片の回収率が非常に悪かったこと、Aβ17-28断片のアミノ酸配列が確認できたことから、1-16部分がdimer形成に関与しているのではないかと考えられる。

[Image PDF (79K)

Copyright (c) 2002 科学技術振興事業団