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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  17-17
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γセクレターゼの基質特異性の解析
佐藤 徹1)2), 斉 悦1), 石浦 章一2), 井原 康夫1)
1) 東大·院·医·神経病理
2) 東大·院·総合·生命
老人斑として蓄積してくるアミロイドβ蛋白質(Aβ)は、アミロイドβ蛋白前駆体(APP)がβおよびγセクレターゼによるプロセッシングを受け産生される。発症に関わる種は42残基から成るAβ42であることから、AβのC末端を決めるγセクレターゼの特異性を調べるため、無細胞系を確立して解析を行った。野生型APPと野生型プレセニリン2をダブルトランスフェクションしたCHO細胞から膜画分を調製し、生成Aβを定量してγセクレターゼ活性を測定した。無細胞系のγセクレターゼ活性は温度依存的に上昇し、産生するAβ40とAβ42の量比は培養細胞の場合とほぼ同様であった。次に、DFK-167などの阻害剤を加えIC50を調べたところAβ42の方が10倍近く高かった。以上からAβ40とAβ42を産生する活性部位は違う可能性が考えられる。

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