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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  16-16
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変異型PS2(N141I)細胞株におけるガンマセクレターゼの特異性について
斉 悦1), 森島 真帆1), 佐藤 徹1), 井原 康夫1)
1) 東大·院·医·神経病理
私達はヒトAPP751を過剰に発現するCHO細胞(7WD10)に野生型プレセニリン2(PS2)及び突然変異型PS2(N141I)遺伝子を安定的に導入した細胞株を作成し、細胞内のAβの量を測定した。野生型PS2細胞株に比較して、変異型PS2細胞株では細胞内Aβ42レベルが顕著に上昇し、予想外にも細胞内Aβ40レベルが減少していた。また、cell free系にしてAβの産生を検討したところは、変異型PS2ではAβ42のみが産生され、Aβ40の産生はごくわずかであった。しかも、もう一つの変異型PS2(M239V)細胞株でも、同様な変化が見られた。同様に検討を、野生型PS1と変異型PS1遺伝子を安定的に導入した7WD10細胞を用いて行った。その結果、野生型PS1のcell free系では、野生型PS2と同様にAβ40の方はAβ42より多く産生され、変異型PS1のそれではAβ40もAβ42もほぼ同程度産生され、Aβ42の産生が野生型に比べ若干多く産生された。以上の結果から、変異型PS2株のガンマセクレターゼは、変異型PS1株内のそれに比べAβ42の産生の特異性がはるかに高いと考えられる。

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