| ニーマンピック病C型モデルマウスにおけるMAPKの活性化に伴うタウ蛋白の部位特異的なリン酸化
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| 澤村 直哉1)2), キョウ 建生1), William S. Garver3), Randall A. Heidenreich3), 二宮 治明4), 大野 耕策4), 柳澤 勝彦1)5), 道川 誠1) |
| 1) 国立長寿医療研究センター痴呆疾患研究部 2) JST 3) The Univ. of Arizona, Steele Memorial Children’s Research Center 4) 鳥取大学医学部生命科学科神経生物学 5) CREST·JST |
| | Niemann Pick disease, type C(NPC)は、コレステロールの細胞内輸送機構に障害があり、コレステロールを含む脂質が沈着する疾患である。NPC患者脳では神経原線維変化の出現が見られるが、そのメカニズムは不明である。本研究では、NPCのモデルマウスを用いて、コレステロール代謝の変化とタウ蛋白のリン酸化の分子メカニズムについて検討した。このマウス脳では細胞内コレステロール量が野生型に比較して有意に増加していた。ウェスタンブロットによる解析の結果、NPCマウス脳ではタウ蛋白のSer396/Ser404が特異的にリン酸化しており、同時に活性化型MAPKの増加が認められた。以上の結果より生体内でもコレステロール代謝の変化によりタウ蛋白のリン酸化が促進される可能性が示唆された。 | | | |