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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  16-16
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前脳基底部くも膜柱状細胞に局在するDP受容体を介したアデノシン遊離とノンレム睡眠誘発
江口 直美1)2), 桑幡 裕子1)2), 曲衛 敏1), 黄 志力1), 早石 修1), 成宮 周3), 裏出 良博1)2)
1) 大阪バイオサイエンス研究所·分子行動生物
2) CREST·JST
3) 京大院·医·神経細胞薬理
プロスタグランジン(PG)D2誘発睡眠に対する、前脳基底部くも膜柱状細胞に局在するDP受容体の貢献度について検討した。PGD2を側脳室に連続注入すると、野生型マウスのノンレム睡眠量が選択的に増加したが、DP受容体欠損マウスのノンレム睡眠量は全く変化しなかった。また、PGD2を前脳基底部くも膜下腔に連続投与すると、投与部位の細胞外アデノシン濃度が、野生型マウスでは有意に増加したがDP受容体欠損マウスではほとんど変化しなかった。従って、PGD2は、前脳基底部くも膜柱状細胞に局在するDP受容体に結合してアデノシンを遊離させ、ノンレム睡眠を誘発すると考えられる。

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