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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  16-16
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リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素およびDP受容体遺伝子欠損マウスの睡眠調節異常
桑幡 裕子1)2), 江口 直美2), 望月 貴年2), 乾 隆1)2), 有竹 浩介2), 成宮 周3), 早石 修2), 裏出 良博1)2)
1) CREST·JST
2) 大阪バイオサイエンス研究所·分子行動生物
3) 京大院·医·神経細胞薬理
野生型(WT)マウスおよびリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)遺伝子欠損(KO)マウスに明期後半6時間の断眠を負荷すると、脳内PGD2量はWTマウスでは44%増加したがL-PGDS KOマウスでは変化しなかった。そして、断眠後12時間のノンレム睡眠量がWTマウスでは23%増加したがKOマウスでは増加しなかった。断眠負荷後のノンレム睡眠量の増加は、PGD2受容体(DPR)KOマウスにおいても観察されなかった。一方、断眠負荷後のレム睡眠量はL-PGDSおよびDPR-KOマウス共にWTマウスと同様、約1.5倍に増加した。以上の結果から、内因性PGD2はノンレム睡眠の恒常性維持に関与すると考えられる。

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