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研究領域「脳を知る」のシンポジウム “脳神経科学の最先端2001”  14-14
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ラット発生期神経系におけるRoboタンパク質の発現分布
熊田 竜郎1)2), 玉田 篤史1), 村上 富士夫1)2)3)
1) 岡崎·基生研
2) CREST·JST
3) 阪大院基礎工
Roboは神経細胞の軸索や細胞体に対する反発分子Slitの受容体である。我々は、抗Robo抗体を作製し、軸索上での各Roboタンパク質の発現の部位及び時期特異性を調べ、Slit mRNAの発現分布の対応関係を検討した。Robo1,2は胎生13日目から生後にかけて主に前後軸に沿って走行する軸索に発現が認められた。後脳では、Robo1陽性線維がslit mRNAが発現する腹側正中線(底板)の近傍に、Robo2腸性線維はそれよりも背側に認められた。これらの結果より、Roboが前後方向の軸索の伸長過程において重要な役割を果たし、しかも、Robo1およびRobo2がそれぞれ腹側および背側の軸索路の形成に関与する可能性が示唆される。

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