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第1回領域シンポジウム予稿集 環境低負荷型の社会システム Social Systems for Better Environment Performance  85-90
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質の利用を中心にすえた新しい都市水代謝システムの構築
渡辺 義公1)
1) 北海道大学工学研究科
単純大規模システムによる高速大量輸送技術を基盤として、一括的な水供給と汚水排除を行うことにより、20世紀の都市水代謝を支えてきた近代上下水道は、構造的な渇水と水質汚濁に対処できず破錠しようとしている。本研究では用途に応じた水質の水を必要な量だけ都市に供給し、水文サイクルのフラックスの不足分を自然との生態学的調和と水再利用を考えて対応する新しい都市水代謝システムを構想する。総需要の20%程度の発ガン性や変異原性も考慮した超上質の飲用水は、河川上流部の清澄な水源から取水し、機能性膜等による精密処理により造水する。その他の非飲用系の大量の用水は、高度な下·廃水処理と河川·湖沼·地下貯留により容量を与えられた人工·自然のハイブリッド系を用いて創出した、都市近郊の清澄化された水源から取水する。必要に応じて吸着·膜分離を基幹とする高度浄水処理により飲用可の水質に変換する。将来は現在の水道システムを非飲用水供給用に転用する。これに至る間は、利水末端で飲用分のみを上質化しながら、水道システムの二元化を逐次進め、次世代の都市水代謝システムを構築する。

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