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各種反応プロセスにおける磁気効果に関する研究
Vol. 1 (2000) p.78
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4) 強定常磁場内の生体に対する磁気作用の基礎的研究
湯ノ口 万友1)
1) 鹿児島大学工学部生体工学科
  近年、MRIなどの普及により、人体が磁場に曝露される機会が増加している。それに伴い、磁場が生体に及ぼす影響についての関心が非常に高まってきている。超伝導技術の発達により、数Tオーダーの強磁場が比較的簡単に手にはいるようになってきたため、強磁場の生体への磁気作用についての研究が広く行われ、次第にそのメカニズムについても明らかになりつつある。しかし、その影響については、明確な結論が出ていないのが現状である。その理由として、磁場以外の環境因子が影響を及ぼしている可能性がある。さらに研究者によって実験条件としての磁場強度、磁場曝露時間、磁場の周波数、波形などが異なることがあげられる。また、対象となる実験材料についても様々であり、単純に結果を比較評価できないこともあげられる。我々の研究室では、東芝製の超伝導マグネット(中心での磁場5T、ボア直径30cm、ボアの長さ60cm、図1)を用いて磁場曝露下での生体影響を調べる研究に着手した。手始めに貝割れ大根の発芽に対する影響を調査し、磁場中で発芽率に変化があるという結果を得た。その際、超伝導マグネットボア内での温度がボア外と異なることがわかり、結果が磁場によるものであるかどうかが疑わしくなってきた。そこで、本研究では超伝導マグネットボア内の温度変化とその発生原因を検討することを目的とした。これまでに行ってきた実験は以下の通りである。温度分布の計測は主としてT熱電対を用いた。
1. 強磁場中での貝割れ大根の発芽実験
2. ロウソクの燃焼実験
3. 超伝導磁石ボア内の温度分布測定
実験において得られた種々の現象について報告する。

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