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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 98
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「生命活動のプログラム」平成8年度採択研究代表者
「超好熱性古細菌転写因子ネットワークの構造生物学的解析」

鈴木 理1)
1) 生命工学工業技術研究所 室長
Abstract:  本研究では超好熱性古細菌の転写調節機構を系統的に解析する事により、
1.転写調節系全体像の解明
2.細胞内での生体高分子(蛋白質、核酸)の耐熱化機構の解明
3.古細菌を含めた三生物界の進化の機構の解明を目標とする。
平成11年度は、特に、研究目標2について成果を得た。(1)好熱性古細菌Thermoplasma volcaniumのゲノム全塩基配列を決定、確認し、この配列を超好熱性もしくは常温性の微生物のゲノム配列と比較する事により、また(2)超好熱性、好熱性古細菌由来の蛋白質の立体構造の決定、解析により、特に(2)からは個々の分子を安定化するための具体的な要因が、(1)からは、それらの分子を1つの細胞システムへと統合し、高温で機能させるための要因が明らかになった。T.volcaniumの最適生育温度は60度で、すでにその全塩基配列が決定されている超好熱性微生物(産業上有用な菌等、最適生育温度80∼100度)と常温性微生物(病原菌や大腸菌等、最適生育温度37度付近に集中)の中間に位置し、この事実が、これらの要因の同定のために極めて重要であった。

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