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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 895
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「脳を知る」平成11年度採択研究代表者
「細胞膜上機能分子の動態と神経伝達調節メカニズム」

重本 隆一1)
1) 岡崎国立共同研究機構生理学研究所 教授
Abstract:  神経細胞の細胞膜には、受容体,チャネルなど様々な機能分子が発現しているが、これらの動的な分布の変化と、シナプスにおける神経伝達機能の調節の関連については不明の点が多い。本研究課題では、高解像度で、あるいはリアルタイムで膜上機能分子の動態や相互作用を明らかにできる方法を確立し、そのダイナミズムに基づいた神経伝達調節のメカニズムを、分子レベルから個体レベルに至る先導的な方法論によって探求する。初年度となる平成11年度は、各グループで、課題達成のための実験設備の整備、および方法論の開発を開始するとともに、現在確立している方法による機能分子動態の解析を行ってきた。具体的には、機能分子の電子顕微鏡レベルでの二次元的な局在や動態をスクリーニングするためのSDS-FRL法の開発、代謝型グルタミン酸受容体の神経伝達調節に関する細胞生理学的研究、NMDA受容体およびその結合蛋白であるPSD-95などの蛋白質の膜表面への発現機構および生細胞での動態を可視化などを行った。今後はシナプス形成過程におけるシナプス分子の動的集合過程や、神経細胞の活動依存性におこる変化を更に解析していく予定である。

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