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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 876
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「脳を知る」平成9年度採択研究代表者
「脳の神経回路形成と可塑性の分子機構」

村上 富士夫1)
1) 大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
Abstract:  神経結合の可塑性は、学習、記憶をはじめとする、脳の様々な高次機能を担っている。したがってその分子機構の解明は、脳の機能の仕組みを知る上で極めて重要な問題である。神経結合の可塑的変化が生じるときには軸索伸長、側枝の形成、標的認識、シナプス形成など、脳の発達期に起こる様々な現象が繰り返される。したがって神経結合の可塑性の分子機構の解明をおこなうためには、神経回路形成の分子機構を明らかにし、それを手掛かりに研究を進めてゆくことが有効な方法である。本研究ではまず神経回路形成の分子機構の解明を進め、その成果をふまえ、神経結合の可塑的変化の分子機構の解明を目指す。神経結合の可塑的変化のうち最も代表的なものとして、lateralityの変更が挙げられる。そこでこの問題に焦点を絞り、まず軸索の正中交差の分子機構の解明をおこなった後、lateralityの変更を伴うような可塑性のメカニズムを解明することを最終目標として研究をおこなった。

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