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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 87
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「生命活動のプログラム」平成8年度採択研究代表者
「安定同位体利用NMR法の高度化と構造生物学への応用」

甲斐荘 正恒1)
1) 東京都立大学大学院理学研究科 教授
Abstract:  今後、生物科学研究の中心は、“遺伝子情報”の蓄積から“遺伝子産物”、つまり蛋白質の生命過程における系統的、網羅的研究へと展開して行くと予想される。その中核となる情報は蛋白質の立体構造情報であるが、その蓄積量·蓄積速度は近年急速に増加してはいるものの、遺伝子情報の蓄積速度と比較すれば、その速度は極めて遅い。この為に、蛋白質のもつ多様な生物機能を立体構造を基盤として解明する“構造生物学”の発展は著しく阻害されてきた。延いては医薬品開発を初めとする新しい生物科学応用技術の発展をも妨げる要因となっている。蛋白質の立体構造を、如何に迅速に、効率良く、しかも精密に決定する技術を開発するかは、応用技術の開発にとっても重大な意味を持つ。本研究課題においては、X線解析技術と並び、構造生物学の中心的実験技術となりつつあるNMR(核磁気共鳴)法を、“安定同位体利用技術”の高度化を通じて、抜本的に改良することを目標とする。

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