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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 855
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「脳を知る」平成9年度採択研究代表者
「フェロモンの記憶に関わるシナプスメカニズムの解析」

市川 眞澄1)
1) (財)東京都医学研究機構神経科学総合研究所 主任研究員
Abstract:  フェロモンは動物の社会生活に重要な因子であり、鋤鼻系が受容および情報処理に関わっている。自然の刺激によるシナプスの可塑性と記憶との関わりを明らかにする目的で、フェロモンの記憶を司る鋤鼻系副嗅球内の相反シナプスという機能的に重要なシナプスに注目して、フェロモン刺激とシナプスの可塑性との関連を総合的に解析している。11年度は、雌マウス交尾後のフェロモン記憶形成期に副嗅球内の相反シナプスの形態変化がおきること、また副嗅球ニューロンの初代培養系が確立し興奮および抑制性シナプスが多数形成されていることをあきらかにした。今後、培養系での定量的研究が可能になり、シナプスレベルにおける記憶学習のメカニズムの研究の発展が期待できる。

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