TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 828
[PDF (323K)] [引用文献


「脳を知る」平成8年度採択研究代表者
「人間の高次精神過程に関わるコラム構造·配列」

田中 啓治1)
1) 理化学研究所脳科学総合研究センター グループディレクター
Abstract:  提案代表者のグループはサルでの侵襲的計測法による実験で、大脳皮質の側頭連合野に複雑な図形特徴の処理に関わるコラム構造があることを見い出した。そして、このコラム構造は単なる情報表現のための単位ではなく、認識過程の柔軟性の基礎になる図形情報変換の道具である可能性を提起した。この可能性をさらに検討するために、高度な精神作業を実験的に賦課することが容易な人間に被験体を変更し、高度な精神作業を遂行中の人間の脳の神経活動をサブミリレベルで測定することを試みる。人間の脳神経活動の非侵襲計測は従来もPET、脳磁計、通常のMRI(核磁気共鳴イメージング)装置を用いて行われてきたが、数ミリ以上の脳部位単位での機能局在の研究にとどまっていた。MRI測定では超高磁場を用いることによりサブミリの空間分解能を実現する可能性がある。本研究では超高磁場を用いて1ミリ以下の空間分解能を持ったMRI装置を開発し、人の高次機能におけるコラム構造の役割を調べる。

[PDF (323K)] [引用文献

Copyright(c)2000 科学技術振興事業団