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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 820
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「脳を知る」平成8年度採択研究代表者
「アルツハイマー病における神経細胞死の解明」

井原 康夫1)
1) 東京大学大学院医学系研究科 教授
Abstract:  アルツハイマー病の病理学的特徴は、老人斑と神経原線維変化(PHF)である。老人斑は、アミロイド線維から成り、その主要成分は分子量約4,000のβタンパク(Aβ)と同定され、PHFの主要成分は微小管結合タンパクの1つであるτと同定されている。以上の二つの病変の時系列を決めるために、各年齢のダウン症候群患者の脳が分析され、現在β→···→τ→神経細胞死という病理カスケードが信じられている。本研究の目的は1)カスケードの最初期に位置する細胞外のAβ沈着の機序;および2)カスケードの終わりに位置する細胞内τ沈着と神経細胞死の関係、を解明することである。この目的にそって、主としてヒト剖検脳を用いてβおよびτを蛋白化学的に解析し、その結果に基づき、仮説をたて、cultured cell,transgenic miceを用いて検証していった。

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