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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 789
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「脳を知る」平成7年度採択研究代表者
「遺伝子変換マウスによる脳機能の解明」

勝木 元也1)
1) 東京大学医科学研究所 教授
Abstract:  脳機能の最も魅力的な研究対象はヒトである。しかし、実験的研究は難しい。とくに遺伝子の変異を用いた分子レベルの実験的解析を、ヒトを対象に行うことは不可能である。そこで、ヒトの脳機能に関与することが既に知られているドーパミン受容体遺伝子を破壊またはヒト型に変換したマウスを作り、これらのマウスの解析を通してヒトに外挿出来る脳機能モデル(ヒト型マウス)の創造を目的に研究を行った。また、これまで癌遺伝子として知られているH-rasについても、海馬におけるシナプス可塑性に関与していることを、遺伝子変換マウスの解析によって明らかにした。これは、NMDA受容体のチロシンリン酸化がRasを介したシグナル伝達経路によって制御されていることを示した最初の知見である。

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