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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 77
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「生命活動のプログラム」平成8年度採択研究代表者
「ゲノムインプリンティング制御の分子機構」

押村 光雄1)
1) 鳥取大学医学部 教授
Abstract:  ゲノムインプリンティング(ゲノム刷り込み現象)とは,父親と母親由来の遺伝子が異なる発現レベルを示す現象であり,どのようなメカニズムでこの現象が制御されているのかを知ることは,生物進化のプロセスや遺伝子発現制御のメカニズムを知る上で重要である。また,インプリンティングの異常は発生異常やがんの発生に深く関わりをもつため,新規のインプリント遺伝子の発見や制御メカニズムの解明はヒト疾患の原因解明や治療法の開発にきわめて重要である。我々は,新しく確立したインプリンティング解析システムにより,過成長症候群の原因遺伝子であるLIT1を単離し,さらにLIT1が近傍の刷り込み状態を規定するインプリンティングセンターとして機能することを明らかにしてきた。今後は,これらの解析システムを用いゲノムインプリンティングの生物学的意義やその制御機構を明らかにしていきたい。

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