TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 665
[PDF (330K)] [引用文献


「電子·光子等の機能制御」平成11年度採択研究代表者
「ナノサイズ構造制御金属·半金属材料の超高速光機能」

中村 新男1)
1) 名古屋大学理工科学総合研究センター 教授
Abstract:  1)ErP/InPヘテロ構造の作製とその構造·電子状態の研究
現有の成長装置を用いて、異なるEr原料による添加効率及び発光スペクトルを通じたEr周辺構造の解明に関する研究を行った。その結果、最適成長温度が決定され、共添加不純物により基本的な吸収帯が消失する現象が観測された。比較的Er供給効率の高いEr(DPM)3では、ErPが成長しないことが見い出された。
2)金属ナノ粒子/絶縁体複合材料の非線形光学特性の研究
3次の非線形感受率の増大化とその時間応答のメカニズムを調べるために、種々のマトリックスに埋め込んだ金ナノ結晶を作製し、フェムト秒領域の非線形応答時間のマトリックスおよびナノ結晶サイズ依存性を測定した。応答時間はマトリックスの熱伝導度が高く、サイズが小さいほど短くなることがわかった。この結果から、ナノ結晶特有の表面モードの励起とそのダンピングがホットエレクトロンの緩和に関与していることが初めて明らかになった。
3)金クラスターの作製とその構造に関する研究
量子効果の発現するサイズのクラスターを作製するために、溶液中の合成法を用いて金クラスターを合成した。高分解能透過電子顕微鏡(TEM)観察により、粒径が1-2ナノメートルの金クラスター群と3-5ナノメートルの金クラスター群が生成していることが確認された。サイズ選別を行うことにより、2nm以下のクラスターを取り出せることがわかった。

[PDF (330K)] [引用文献

Copyright(c)2000 科学技術振興事業団