TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 660
[PDF (1081K)] [引用文献


「電子·光子等の機能制御」平成11年度採択研究代表者
「人工光物性に基づく新しい光子制御デバイス」

中野 義昭1)
1) 東京大学 助教授
Abstract:  半導体材料の光物性を一原子層単位で設計·制御された人工結晶構造により変革し、電気光学効果、相互位相変調、四光波混合、磁気光学効果など、広義の光非線型性を飛躍的に高めること、ならびに、これら半導体人口光物性と半導体分布ブラッグ反射器やファイバブラッグ格子鏡で構成される高度な光共振器/干渉計構造に基づいて、ダイナミック光メモリ、光ロジック、デジタル波長変換器、光3R中継器などの全光子制御デジタルデバイス/回路を実現し、デジタルフォトニクスの基礎を築くことによって光情報通信技術の発展に資することを目指している。これまでに、有機金属気相エピタキシにおけるInGaAsP混晶半導体成長のモデル化とシミュレーション、ポテンシャル制御量子井戸構造による電界吸収型光変調器の偏光無依存·負チャープ化、強磁性体/半導体複合多層膜構造による磁気光学効果の増大、新たな非縮退四光波混合デバイスの提案と原理検証実験、結合光共振器構造によるサブpJ全光スイッチング動作検証、半導体レーザを利用したデジタル波形整形器の研究、などを行って、成果を挙げている。今後は、界面急峻性など量子効果の操作に不可欠な原子層レベルの構造制御技術、半導体レーザを用いたサブ20フェムト秒光パルス発生などの基礎技術を研究するとともに、電界吸収型光変調器を光非線型媒質に用いた新しい全光スイッチ、強磁性体/半導体複合多層膜構造を用いた光アイソレーション機能をもつ非相反型光デバイス、ファイバブラッグ格子と半導体光増幅器を融合した高機能ハイブリッド光デバイスなどを具体的研究課題とし、冒頭に述べた最終目標の全光子制御デジタルデバイス/回路の開発につなげてゆく予定である。

[PDF (1081K)] [引用文献

Copyright(c)2000 科学技術振興事業団