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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 584
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「極限環境状態における現象」平成9年度採択研究代表者
「超過冷却状態の実現と新機能材料創製」

戸叶 一正1)
1) 金属材料技術研究所 総合研究官
Abstract:  本研究の目的は、材料を溶融凝固させる際に従来に無い大きな過冷却状態を実現させ、この状態から非平衡状態で存在する新たな物質や材料を創製することにある。平成11年度は、技術開発として静電浮遊溶解炉、電磁浮遊炉、ガス音波浮遊炉とその急冷装置を用いて、金属、セラミックス、半導体の溶融、凝固実験を行うと同時に、ドロップチューブの開発に新たに着手した。材料実験に関しては、NdBa2Cu3O7-d(Nd123)、Bi2Sr2Ca1Cu2Ox(Bi-2212)、RE-TM-B-C(RE=希土類、TM=遷移金属)等の超伝導体を主な対象にして、溶融、凝固実験を行った。その結果、超高速急冷による無組織Nd123未知相の生成、Bi-2212の帯状及びひげ状結晶の生成、Si、Ge半導体の球状結晶の生成に成功するなどし、過冷却状態からの凝固が各種機能材料の新たな生成手段として有効なことを示した。平成12年度からは、超伝導、半導体材料以外にも、磁性、光学材料を含め、さらに幅広い研究を行っていく。

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