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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 528
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「極限環境状態における現象」平成8年度採択研究代表者
「準結晶の創製とその物性」

蔡 安邦1)
1) 金属材料技術研究所 主任研究官
Abstract:  本研究では新準結晶合金の開発を行うと同時に、大きな単準結晶を創製し、単準結晶を用いた構造解析、電子物性、原子振動および強磁場中の研究を行うことにより、準結晶の全貌を解明し、第3の物質群としてその物性の特徴を明らかにする。そして、実用材料としての可能性を見極めることを目的とする。今年度、試料創製では、Al-Pd-ReおよびAl-Cu-Feの部分状態図を作成し、これに基づいて徐冷法によって約5∼6mm径のAl-Pd-ReおよびAl-Cu-Fe単準結晶を作製することに成功した。また、単準結晶において初めてエッチピットの観測に成功した。構造解析では、結晶で用いられる直接法を準結晶の構造解析に拡張し、3次元準結晶の構造解析に成功している。物性では半導体に匹敵する電気抵抗をもつAl-Pd-Reの単準結晶の電気抵抗は多結晶ほど高くないことが判明した。また、低温で金属-絶縁体転移は観測されていない。応用研究の面では、Al-Cu系準結晶の触媒能の評価を始めた。

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