TOP > 巻一覧 > 目次一覧 > 書誌事項


平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 522
[PDF (351K)] [引用文献


「極限環境状態における現象」平成8年度採択研究代表者
「複合極限の生成と新現象の探索(超高圧·超強磁場·極低温)」

遠藤 将一1)
1) 大阪大学極限科学研究センター 教授
Abstract:  前年度に引き続き、超高圧下の電気抵抗、磁化測定法等の改良と測定圧力、磁場などの上限値の上昇に努めた。さらに、ダイヤモンドセルと遠赤外レーザーを組み合わせたESRの開発を進めている。完成すれば世界初のものになり、多くの成果が期待できる。強誘電体の相転移機構、バナジウムの超伝導遷移温度の圧力効果、BiI,C6I6、重い電子系の圧力誘起金属転移および超伝導性の発見、低次元磁性体の超強磁場磁化過程、近藤半導体の強磁場磁気抵抗測定、CaFeO3のメスバウアー分光によるP-T挿図の作製、酸化物MnOの金属化の実証などとともに、これらの実験をサポートする、V、NbのTcの圧力依存性、Se高圧相の圧力誘起超伝導、ハロゲン属分子性固体の金属化と分子解離、高圧下で安定な固体水素の結晶構造等についての理論的研究も行った。開始後3年半を経過した平成12年5月に、これまでの研究の進展に対する中間評価を受けたが、我々のグループの最高圧250GPaは物足りない、世界記録を達成して、その下でのメリハリの効いた研究を展開して欲しいとの指摘も受けた。残り1年半、この方向で納得してもらえる成果の獲得に邁進したい。

[PDF (351K)] [引用文献

Copyright(c)2000 科学技術振興事業団