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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 480
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「極限環境状態における現象」平成7年度採択研究代表者
「電子波の位相と振幅の微細空間解像」

北澤 宏一1)
1) 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
Abstract:  本研究の目的は、近未来のメソスコピック素子時代に必要となる微細でコヒーレントな固体内電子波の観測技術を時代に先駆けて開発し、また、超伝導体をモデルとして電子波コヒーレンシーの微細観測を行うことによりその有効性を実証することにある。不確定性原理により同時に精密決定を行うことのできない位相と振幅という2つの量を、微細精密に解像するための手段として、位相観測用の電子線干渉顕微鏡と振幅観測用の原子位置指定トンネル分光(AST-Atomic Site Tunneling)装置開発をめざしている。具体的には、電子線干渉顕微鏡については従来の3倍の加速電圧を有する1MeV型開発を推進し(これまでの世界最高は申請者らの保有する350kV)、また、AST分光装置はエネルギー分解能の限界を目指して、極低温(0.1Kレンジ)、超高真空、強磁場下での観測を可能とする。一方、それらに並行して、物質開発面では、より高温でもコヒーレンシーの破壊されない高臨界電流性能を示す物質開発を進めるとともに、その指針となる基本法則を導こうとするものである。

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