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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 395
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「単一分子·原子レベルの反応制御」平成8年度採択研究代表者
「低次元超構造のコンビナトリアル分子層エピタキシー」

鯉沼 秀臣1)
1) 東京工業大学応用セラミックス研究所 教授
Abstract:  本戦略的基礎研究は人工的に設計された組成、超格子、ナノデバイスの超高速合成法を開発し、よって新たな物質機能を組織的に探索することを目的とする。原子レベルで制御された薄膜技術をセラミックスや有機分子等にまで拡張して確立するとともに、コンビナトリアルケミストリーの概念と組み合わせた集積膜の作成とその高速評価法、および高速材料設計のための計算化学プログラムを新たに開発し、新物質やその機能探索の効率を画期的に高める。前年度までに開発を行ってきたコンビナトリアル合成装置、材料設計のための計算機シミュレーションプログラムや高速評価装置について、さらに汎用性を高めるための改良を行うとともに、コンビ手法をデバイスプロセスなど他のプロセスに適用するなど、積極的な展開を図った。その一方で高速評価法については、前年度の走査型マイクロ波顕微鏡、走査型X線回折に加え、走査型SQUID顕微鏡を用いた高速磁気特性評価法の共同研究、一括X線回折装置の企業との共同開発など、コンビナトリアル合成に見合った高速評価法の開発に著しい進展が見られた。今後は、物質設計の指針となる理論計算予測と合成、および物性評価のそれぞれが密に連携を図ることで、これまでにない、新規材料の探索と物性の発現を強力に推進していく。実用材料のコンビナトリアル開発には企業との共同研究に積極的に取り組む。また、その結果得られたさまざまな実験結果や理論的予測はデータベースとして活用し、コンビナトリアル物質探索のさらなる高効率化を目指す。

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