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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 386
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「単一分子·原子レベルの反応制御」平成7年度採択研究代表者
「次世代精密分子制御法の開発」

山本 尚1)
1) 名古屋大学大学院工学研究科 教授
Abstract:  物質科学の潮流は、マクロからミクロへ解析的に追求する「ブレークダウンの時代」から、制御された物質を設計図に従って、原子·分子から人工的に組み立てる「ビルトアップ時代」へと移りつつある。この新しいビルトアッププロセスで、原子·分子の持つ構造·機能から分子集合体の高次構造·機能を初めて効率的に創製することができる。これはもはや以前の偶然に支配された物質系ではないので、高度な機能を持つ物質や材料の真の意味での設計が夢ではなくなりつつある。本研究グループは、精密有機合成、精密高分子合成、分子認識、精密触媒、有機金属化学等の分野で世界をリードしている山本 尚を中心に構成し工学の粋を集め、英知を結集し、且つ統合し、次世代を先導する独自の精密有機合成化学を完成させるものである。グループは各分野の特徴を活かした研究を行い、それぞれの成果を結集し、低分子から高分子に至る精密分子構造と高次構造の完全制御法の開発と確立を目指す。具体的には、超分子構造を視野に入れたルイス酸触媒を真に触媒反応にし、種々の選択的反応をルイス酸触媒で進行させることを目指す。とくに、キラル分子の構造制御を目的とする精密触媒などの開発や構造制御された光学活性高分子の設計など、広く低分子から高分子までの有機物質の光学活性体を合成する新手法を開発し、キラルインダストリーの基礎技術の確立を目指し、研究を行っている。

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