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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 383
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「単一分子·原子レベルの反応制御」平成7年度採択研究代表者
「フェムト秒領域の光反応コントロール」

山内 薫1)
1) 東京大学大学院理学系研究科 教授
Abstract:  本プロジェクトでは、「化学反応の経路をフェムト秒レーザー光によって選択的にコントロールし、特定の生成物の生成を可能とするための具体的な方法を確立すること」を目指している。具体的には、多原子分子の光解離反応の「現実的な制御」を念頭においており、反応生成物への経路に分岐がみられる系、すなわち、ABC→AB+CとABC→A+BCの2つの経路が存在するとき、その一方のみを選択的に進行させることを目指すものである。特に、2つ以上の超高速(フェムト秒領域)レーザー光パルスの「時間差」、「位相」、「波長」、「輝度」をコントロールすることによって、化学反応制御のための最適な方法を探索し提案することがねらいである。平成11年度には、これまでの本プロジェクトの具体的な成果をもとに具体的な光反応コントロールのための研究を展開した。主な成果は、大別して、(1)強光子場の光反応および分子構造制御、(2)短パルス極端紫外(XUV)域光源の開発と反応制御への応用、(3)摂動領域におけるIVR 制御のための分光実験および理論の3つに分類される。特に、強光子場中の光反応制御に関しては、「タンデム型質量分析装置」、「超光子場発生のための光コンプレッサー」、「パルス電子回折装置」の製作を完成させ、強光子場中での分子の偏向、変形、爆発などの様々な現象を系統的に調べ、コントロールの具体化への準備を整えることができた。

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