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平成11年度 戦略的基礎研究推進事業 「研究年報」
Vol. 1 (2000) 362
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「単一分子·原子レベルの反応制御」平成7年度採択研究代表者
「極微細構造の化学設計と表面反応制御」

岩澤 康裕1)
1) 東京大学大学院理学系研究科 教授
Abstract:  目的の物質のみを合成する高効率活性触媒や原子レベルで制御された新機能素材を開発するためには、表面反応プロセスを完全に制御する必要がある。表面反応プロセスの完全制御は、表面化学プロセスが起こっている状況で、原子·分子の動きを直接捕らえ、プロセス全体を支配する素過程を解明するとともに、原子·分子レベルで表面の極微細構造を制御してはじめて達成される。本研究グループは、原子·分子レベルで単一分子及びその集団の表面化学プロセスを完全に制御した触媒反応を実現すること、および表面の新しい化学現象の発見を目標として、それに必要な極微細反応解析法を開発し、完全反応制御の基礎的知見を得るとともに、触媒反応機構の解明と表面反応制御技術の確立をはかっている。本年度は、新機能材料である層状遷移金属カーバイドの一つであるMo2C(0001)結晶面の構造を初めて明らかにする一方で、Re系層状結晶であるSbRe2O6の新規触媒特性を見いだした。また、Co/Al2O3固定化触媒を用いて触媒の新概念“Surface Catalytic Reactions Assisted byGas Phase Molecules”を提出した。さらに、多素子半導体検出型偏光全反射蛍光XAFS装置を作製し、活性表面の3次元構造解析を可能にした。今後さらに表面の新規化学現象の発見と新触媒開発を推進する。

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